自転車男

これは、1人のおっさんと厚き脂肪との闘いの記録である。

点と点が線となる。

レース後、いきなりの6連勤。ですが、気持ちは穏やかで清々しく働けました。というのも、ヒルクライムレースを完走し、自分の中で何かが大きく変わったからです。


レースのタイムは、コースレコードが43分のところを自分で測定した感じで70分ジャスト程度。お世辞にも速いとは言えませんが、極端にペースを乱す事なく淡々と登れた事が練習の成果を出せたようで本当に嬉しかったし、達成感がハンパじゃなかった。山頂で見た美しい景色は、今も目に焼き付いている。余力は、かなりあったけど、帰り道を車でそのまま7時間独りで運転しないといけない事を考えれば良かったかと思える。


参加者が600人以上で、車もかなりの数だったので抽選会などもあったが下山するまでに30分近くかかるので早めに山を降りるしかなかったのが残念だった。帰る直前まで、表彰式でカテゴリー別のタイムを聴いていてある事に気が付いた。10代、20代、30才代とカテゴリーが分かれているのだが、10代、20代の一位が49分台。そこから30、40からが53分台だったのだ。人間の体力のピークが二十歳前後として、10代、20代の選手としての違いは間違い無く体力よりも体重の要因が強いのではという仮説が立った。つまり、日々の練習を通して身体を作っていけばヒルクライムにおいては勝てるのであると。練習を通して、身体を作っていく事が重要なのだと。日々の努力(練習)が現在の結果を作っている。それを身をもって学んだ。経験を通し、心から学んだ事に対しては素直に受け入れられる。言葉にすれば、日々の努力が大事なんてことは誰でも口にした事があるだろうけど心からそれを理解していれば自然と前向きに生きられる。毎日、無駄なように思えてた仕事に対しても自分を成長させる礎のように感じるので意欲的に働けるようになった。すべての事は無駄なんかじゃないんだってね。

レース前日までは、交通費2万円もかけてレース出て…モチベーションはお金で買えるみたいな内容になるかなって考えてたけど、お金で買えない価値ある経験が出来た。


自分は、自転車に出会えてよかった。

いよいよ明日が本番

何がって?

ヒルクライムの大会です。本当…一カ月、あっという間に過ぎました。体重は最終的には、67kg台にまで減らせました。近くの練習コースではタイムはウナギ登りです。


よく、自転車やってる人からもやってない人からも「坂(山)の何が楽しいの?」って聞かれる事があります。私が自転車を始めた頃に、自転車雑誌で森本 誠選手が乗鞍を三連覇し『山神』なんて呼ばれていました。東堂 甚八かっつーの。東大卒で、自転車速くて、個人トレーナーつける財力があって…と単純に悔しかったんでしょうね(笑)3年で追いついて、乗鞍にもとい本人に挑戦するって目標がありました。そんな思いがあってか、登った山だったけど…そんなこと考える余裕もなく、逆に無心になれた。それが気持ちよかったり。『かもめ☆チャンス』の中に、自転車禅なるものがありますがまさにそれに近いかも。瞑想とは、目を瞑って無心になることと考えられがちだけど、身体感覚(五感)に意識をフォーカスし、意識的に感じとることから充実感で感情の雑味を無くすこと。『のりりん』であればプリミティブ、原始的とかいった感覚かな。

話がズレてきたけど、単純に山が好きなんです。例えば、ウェイト・パワーレシオの概念。始める前から、勝負は決まっている、言い換えればどれだけの準備をしてきたか、練習をしてきたか。フロックなんて、ロードレースと違いほぼあり得ない。下りならまだしも、距離も短く、パンクなどのメカトラブルもほぼ無いのだなら。

どんな結果でも、明日は謙虚に受け止めて次に進みたい。強くなりたい。

レース会場の試走にて、山頂の方は雲のような霧のようなものが…



オマケ

前回の紹介マンガは、『エア・ギア』でした。グレ吉とは、作者の大暮維人(オオグレイトと読みます。)のこと。現在も天上天下を描いてた時と同じ、ウルトラジャンプで『バイオーグ・トリニティ』を連載中。学園物が多いですね。エア・ギアの話に戻ると、好きなワンシーンでヒロインのりんごちゃんが


ターンが一つ

ジャンプが一つ

エアが一つ


昨日よりも

ほんのちょっと上手く


ほんのちょっとだけ

自分のイメージに近くキマって


ほんのちょっとだけ

昨日よりも成長してる

自分にワクワクして


そうやって自分の力で積み上げた

自分の力で届く〝なにか〟がきっと…


「自由」って言葉なんだっ…て


このマンガの中では、エア・トレックという、電動のローラースケートみたいな架空と道具ですが…自分が、自転車を始めた時に同じように感じたっけなぁ。


主人公のイッキが、大撥条(だいぜんまい)ファクトリーでパーツを掘り出してるのを見てた亜紀人が、バトルで走ってる時より楽しそうと…自分だけのパーツ、自分で組み上げたエア・トレックを作るのがどれだけワクワクする事かを自転車に置き換えると自分にもよくわかります。だから、逆に道具というか機材にこだわりがない人をみると「なんでかな?」って思っちゃいます。だからと言って身の丈以上の物を買って自転車ビンボーなのもどうと思うけど(笑)

三連休…2日空けてのの二連休。

《前回に引き続き》

2日目。前日、長男と家の前でプールで遊んだ後、昼寝を2時間してしまいました。天気予報では9時くらいには大雨の予想もあり、朝の5時から練習に出ようと思っていたけど…全然眠られず、そのまま走りに行く事に。睡眠は大事とか、前回自分で書いておきながら分かってなかった。ぼんやりとした頭で、雨が降る前に帰るルートはどうしようかと悩みながら自転車を漕いでても頭が回らない。寝ようと思った0時前後から飲まず食わずだったので、脱水だったのかもしれないけど…本当ぼーっとしてた。途中、甘めのカフェラテとボトルのドリンクを多めに摂り少しマシに。結局、森のパン屋なる蕎原(そぶら)山荘に向かいました。キャンプ施設も併設されてるため、朝早くから店は開いてるのですが、食事の方はまだ開店前との事で仕方なくパンを一つ買って帰る事にしました。普段なら、そんなに人とのやりとりでイライラする事は少ないですが、無性にイライラしている自分に気づいたのでトイレに向かい顔を洗った。洗面台には鏡がついており、自分の顔が映った。目の下には酷いクマが出来ていて、顔面蒼白。まるで病人。(こりゃいかんわ)と思い、そのまま直帰して1時間ほど眠るとスッキリした。7月31日のヒルクライムには、前日夜中出て…なんて考えてたけど、とてもじゃないけど走れないと確信した。だから、その日のうちに宿を取った。


翌日。前日の反省を活かし、しっかりと睡眠をとって、いつもの中距離練習コースとして鍋谷へ。朝、6時に家をでた。鍋谷では、いつものようにギア固定練習。タイムを計ってると…あれ?遅い。と最後のつづら折りを抜ける頃に気付く。今日は、リアをトップから3つ目に固定してるはずなのに…やはりこれ以上のギアではケイデンスが上がらないのか、自分の体調が、悪いのか…

「んあっ!」

とんでもない事に気づく。なんと、ギアがインナートップだった。なんでやねん。誰や!ギア変えたの。いや、自分しかいないか。どこからやろ…うーん、多分最初からだよね( ;´Д`)これで、33分ちょいかかってしまった。まさに『鈍感力』。ここ、数日と変わらず同じように走れた。以前インナートップで走った時よりはるかに早く、2人組の人を抜き去り、一気にちぎった。相手の立場になると、次のつづらで完全に姿を捉えらえなくなると抜かそうとかって気持ちになれないと思う。また、ここでオーバーペースにならないのも大事な事で、やはり自転車は自制のスポーツというだけあって、無茶しても結果は出ない。ここで追ってこなかった2人は、正解だと思う。




その後、2日空けて再挑戦。インナートップから2枚重いギアに固定で30分4秒というタイムを叩きだす。

いよいよ、30分切れるかと2日置いた昨日、走ってきた。途中、結構キツイとこでも…シッティングでいけてる!これはいけるかも!足にめっちゃ力入るようになったんかも?なんて一瞬思ったけど、んなわけない。ギアがまた、インナートップに無意識に変えられてた。最後の自販機から緩い下りがあって、登りに入るからアウターに変えてインナーで登り始めるから、インナートップにあげてしまうようだ。それから、鈍感力が、悪い方に働いてかギアを重くしてもインナートップで慣れてしまってか全然足が回らない。32分ほどかかってしまう。この日は、子ども達の予防接種が昼からあるとの事で練習を早めに切り上げた。意外と予防接種が早く終わったので、中抜け練習という事で夕方から再び鍋谷に。めちゃくちゃ暑い。ふだん、朝登り始めの電光掲示板で20℃前後のところが28℃を示している。心拍も上がってしまうだろうし、キツイかなぁと思ったけど山の中は木陰が多くて意外に涼しい。朝、夕の中抜け練習ありだな。今回は、ギアも決めてたものを使えたので成果が出た。28分40秒。驚きのタイムである。まさにネテロ会長の如く、修行の時間が短かくなり祈りの時間が増える…そんな感じ。私の場合は子どもと遊ぶ時間だったりするが。

ヒルクライムにおいて、平均時速1kmとか2kmの差が最終的にはすごく大きくタイムに影響して来るのは心に留めておきたい。


おまけ


自転車を始めて、「あっ、これってアレに似てるなぁ」なんてマンガがある。

ヒント

①数年前まで週間少年マガジン連載。つい最近まで廉価版が出てて、物語のその後の読み切りがあった。

②グレ吉マンガ

③仮想の道具を使ったスポーツ?の話